地域の人に愛されることこそが、ナゴヤで受け入れられる重要なポイントです。
なごや人気質を表すものとして、「三男坊気質」や「NAGOYAモンロー主義」といった言葉があります。「三男坊気質」とは東京や大阪の出方を伺いながら、3番目にようやく腰を上げるという意味であり、「NAGOYAモンロー主義」とは、外部からの参入者を排除して、仲間内だけで果実を分け合うという意味。つまり、他地域からの参入を排除するなごや人の排他的気質から「ナゴヤではビジネスにおいて、なかなか新規参入者の成功が難しい」という意味で使われます。
他地域ビジネス資本のナゴヤ進出、その中でも中日新聞と仁義なき戦いを繰り広げ、進出を阻まれた読売新聞の話は有名です。ナゴヤ資本の中日新聞より、かなり安価な購読料で販売を試みたものの、ナゴヤ資本の中日新聞の前には歯が立たず、購買率を上げるには至らなかったのです。中日新聞の購買率は、愛知県内・名古屋では7割を超えており、喫茶店には置いていない店が皆無であると言われているほど。愛知・名古屋の公式紙、官報と呼ばれ、ナゴヤで揺るぎない地位を確立しています。これが「他地域ビジネス資本の参入が難しい」と言わしめている事例の一つです。
他にも、前回記述しましたとおり、なごや人は居心地の良さからかあまり県外に出たがりません。大学進学も県内の学校を選ぶ生徒が多く「出身高校所在地県の大学への入学者割合」はなんと69.4%と全国二位。就職にしてもトヨタ自動車を筆頭に、本社がナゴヤ(もしくは愛知)にある企業で十分満足でき、東京や大阪の企業に勤めて通勤時間の長さに頭を悩ませられるのなら、地元に住んでいた方がはるかに居心地が良いと考えるのです。これもナゴヤ人の排他的気質を助長する原因と言えるのかもしれませんね。
しかし、最近ではナゴヤ地域の活況を受け、この「NAGOYAモンロー主義」を打ち破って他地域ビジネス資本の企業が続々と名古屋に参入して成功を収めています。最初に参入して成功を収めたと言われているのはJR名古屋駅にある百貨店「ジェイアール名古屋タカシマヤ」。進出から急激に売り上げを伸ばし、今では松坂屋・三越などのナゴヤの老舗百貨店に追いつくほどにまでに躍進しています。続いて、コンビニエンスストア「セブン-イレブン」。2002年に愛知県豊橋市に初出店して以来、今や400店を超えるほどの店舗を展開(平成18年9月末現在)。その他にも、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」、家電量販店「ビックカメラ」、書店「ジュンク堂書店」、家電「Sofmap」、高級スーパー「成城石井」などが相次いでビジネス進出しています。これらも順調に名古屋人に受け入れられており、現在「NAGOYAモンロー主義」の崩壊も近いと囁かれています。
では「NAGOYAモンロー主義」崩壊の原因は何なのか?もちろん他地域ビジネス資本が台頭してきたことがあげられるのですが、その成功の秘訣は果たして何であったのか。こんな例があります。レストラン「KIHACHI」などの運営を手がける株式会社キハチアンドエスは、ナゴヤに出店する際に名古屋ならではの素材(八丁味噌や名古屋コーチンなど)を使い料理を提供したそうです。また、最近では「KIHACHI
CAFE」を出店する際に、ナゴヤで有名な小倉トーストをキハチ流にアレンジしたご当地メニューなども導入。この「地元を大切にするという心がけ」、これがなごや人の心を掴み成功に一役買ったのだと言えるでしょう。
また、忘れてはいけないのが出店する地域のひとに愛されるコト。ナゴヤではクチコミで噂が広がりやすく、地域の結びつきも深いため、少しでも地域の人を蔑ろにすればたちまち悪い噂が広がることになりかねません。逆に言えば、地域の人に愛されてしまえばクチコミでいい噂を広めてくれるのです。地域の人に愛されている居酒屋では、主人が手が離せないと常連客が代わりに接客してくれたり、手伝ったりしてくれたりしている光景を目にすることも。お店の人と仲が良く、信頼されているからできるし許されることですよね。このように、「まずは地域の人と仲良くなること」これがNAGOYAビジネスで成功する大切なポイントなのです。